「DHLの契約方法が知りたい」
「割引で本当に安くなるの?」
「発送はどんな流れ?」
eBay輸出の海外発送でFedEx以外にもDHLを契約した方がいいのか悩んでいるからも多いと思います。
そこで、この記事ではeBay輸出のプロが国際宅急便の『DHL』についてわかりやすく徹底解説します。
具体的には…
・最大割引を適用させる契約方法
・簡単な出荷方法
・DHLを使う際に注意するべきポイント
大きくこの3点についてお伝えします。
この記事はそこまで長くないですし、DHLを利用する前に必ず知っておきたいポイントをまとめていますので、まずはご一読を!
DHLとは?
DHLはドイツの国際宅急便サービスを提供している会社です。日本郵便との大きな違いは自社の飛行機を持っていること。日本郵便はJALやANAなどの民間航空会社のスペースに搭載させてもらっているので、コロナ禍で航空便の欠航や減便が増えると荷物が留まってしまいます。
そんな中でもDHLなどの民間会社は自社の飛行機を所有しているので、物流が留まることがありません。日本郵便のEMSが引き受け停止になる国が増えている一方で非常に重宝します。
DHLの送料は高くない!
DHLなどの民間会社は「送料が高い」というイメージがあると思いますが、そんなことはありません。確かに通常料金だとかなり高いですが、eBayセラーには限定の割引のサービスがあります。
この割引率がかなり大きいです。DHLもEMSと対抗して作成しているプランなので、国や量目にもよりますがEMSよりも安いことがほとんどです。
DHLとの契約方法
DHLとの契約は必ず『eBayセラー割引』を使うようにしてください。もしくは『BtoC割引』というプランです。いずれも割引率が8割近いものになっています。アメリカ2kg以内なら2000円以下で発送できるプランです。
DHLの契約対象は個人事業主か法人のみ
DHLとの契約は個人事業主か法人のみになります。届出をしていない個人では契約ができません。eBayをやっていれば消費税還付なども受けることになると思いますので、難しく考えずにサクッと個人事業主の届出を提出しましょう。書類を税務署に提出するだけです。あっさり受理してもらえるので『こんなものだったのか…』と思うほどです。
開業Freeeというサイトを使えば無料で簡単に開業に必要な書類を作成することができます→開業Freee
開業届では屋号を設定できます。DHLとの契約で「屋号」が必要なので必ず設定しておきましょう。
DHLカスタマーサポートに電話かメール
まずはDHLのカスタマーサポートに電話かメールをしましょう。
DHLに伝えるべきポイント
カスタマーサポートには以下の内容を伝えましょう。(まだeBayで販売してなくても同じ内容です)
- 越境ECサイトのeBayを通じて海外のエンドユーザーに販売する仕事をしている
- 日本郵便やFedExで月に50件以上発送している
- 今回DHLさんとも契約したい
- 個人事業主の登録もしていて屋号もある(法人登記している)
- 営業さんから連絡がほしい
これらをカスタマーサポートに伝えてください。あとは地域担当の営業さんから連絡があります。(地域によってはメールでのやり取りになることも…)営業さんから連絡があった場合は同じ内容を伝えてください。相手も営業なので「ある程度、販売している雰囲気」を醸し出すことが契約をスムーズにするポイントです。
DHLからのメール返信の内容
契約書の締結の前にメールで詳細を伝えるパターンもあります。(営業さんとの電話だけで契約までいくこともあります。)
回答する主な内容は以下の通りです。このように回答すれば契約できるという正解はないので大体でいいと思っています。
【現行利用サービス(月間)表】EMS(FedEx)が多めの方が印象はよいと思います。
【発送国割合(件数ベース)表】アメリカを6割くらいであとは適当でいいですね。
【ebay販売サイトURL】https://www.ebay.com/usr/eBayのユーザーID
【越境ECビジネスにおけるebay販売比率】100%
DHL契約書の締結〜ペイパルアカウントとのリンク
ヒヤリングが完了して、審査が終わると契約書が送られてきます。そこに捺印して返送します。(営業さんにスキャンした契約書をメールで送れば先に登録をしてもらえます。)
そこから数日してDHLからメールでペイパルとのリンクができるURLが送られてきます。DHLのeBayセラー割引の場合、送料はペイパルからの引き落としになります。
ペイパルとのリンクが完了すれば3−4営業日でアカウントナンバーが発行されて出荷できるようになります。
DHLを使った出荷方法
それでは無事にアカウントナンバーが発行された後はどのようにして、ラベルを発行したり集荷に来てもらうかを解説していきます。
梱包資材の発注
DHLでは各種梱包資材を無料で提供してくれます。まずは必ず用意しておきたいのは「ビニールポケット」です。これは郵便局のパウチと同じで発送のラベルを入れるための専用の袋です(これがないと発送ができません)あとは「FLYER」と呼ばれるビニール袋があります。これは2種類ともにあった方がいいです。
DHLは日本郵便と重量の算出方法が異なります。DHLは容積重量か実重量のどちらか重い方が採用されます。ただこの「FLYER」と呼ばれるビニール袋に関しては実重量が採用されます。つまり「FLYER」に入るくらいの大きくて軽いものなら実重量計算になるので送料が安くなります。
「FLYER」以外は容積重量計算になるので、自前の段ボールでもいいですし、DHLの箱を使っても大丈夫です。
DHLの送料設定
eBayのシッピングポリシー(送料設定)もDHLに合わせたものに変更しておく必要があります。
DHL発送ラベルの作成
DHLの発送ラベルの作成は主に3つの方法があります。アカウントナンバーを登録すればそれぞれのツールからラベル作成ができるようになっています。
- MYDHL+(無料・面倒くさい…)
- HIROGETE(無料・eBay連携あり)
- Ship&Co(有料1枚19円〜・eBay連携あり)←個人的に好き
集荷依頼
MyDHL+やカスタマーサポートへ電話して集荷を依頼することができます。DHLが直接集配していない地域は佐川急便が集荷に来てくれますよ。
集荷にかかる時間もすぐです。バーコードでスキャンして終わりです。大きさや重さは自動的に読み取るので誤差があれば正しい重さで請求されます。
DHL発送の注意点
DHLの追加料金について
DHLでもらった見積もり以外にも追加でかかる料金があります。
燃油サーチャージ
毎月更新される航空機燃料割増料金が加算されます。2020年5月は11%です。アメリカ2kgの送料が2000円だとしたら、実際の送料は2220円になります。
原油の価格によって毎月変動します。3月の17.75%は割高ですね…
遠隔地配達手数料
たまにあるのがこの遠隔地配達手数料です。これは主要な都市から離れている場所(離島や僻地)に配達するのにかかる追加費用で『2,600円または、60円/kg』いずれか高い方が採用されます。これはeBayで注文を受けた時にはわかりません。
DHL遠隔地配達手数料の調べ方
Ship&coで発送ラベルを作成していると追加料金が発生しているのがわかります。
もしくはDHLの遠隔地の郵便番号が記載されているPDFがありますので、そこから”Cnt+F”して郵便番号で検索するのもありですね。
配達先変更手数料
住所間違いなどの場合は配達先を変更してもらうことができます。ただ1件あたり1300円の手数料が発生します。DHLのカスタマーサポートに電話をすると変更してもらうことができます。
緊急事態追加金
コロナウィルスの影響の中でサービスを維持するために必要な追加金という名目です。期間限定の値上げと考えていいですね。平時であればかからない費用です。
2.5kg以下の荷物には追加金は発生しません。
関税・返送費用について
DHLだと関税が発生しやすい
eBayセラー割引だと関税支払いが『発送人(セラー)』になるという噂がありますが、そんなことはありません。関税が発生した場合は『荷受人(バイヤー)』が支払いします。
ただ郵便だと通関検査が緩くて簡単ですが、DHLのようなクーリエと呼ばれる国際宅急便だと、各国が定めた基準の申告額を超えた場合は必ず関税が発生します。
EUとカナダは必ず関税が発生すると考えておいた方がいいですね。なので関税を理由に受け取り拒否をされないようにサンクスメッセージ内でそのことを伝えておいた方が予防になります。
返送料は高い
もし受け取り拒否をされた場合は、現地の配送センターに戻されます。そこから荷物の取扱について問い合わせがくる流れになります。もし返送する場合は、割引価格での運賃とならないのでかなり割高な返送費用になると思っていた方がいいです。対策としては現地の発送代行会社へ配送先変更して倉庫に入れたまま再販するのがいいかなと思います。
まとめ
長くなりましたのでまとめます…
DHLの『eBayセラー割引』もしくは『BtoC割引』を適用されればEMSよりも安く発送することが可能になります。(重さや地域にもよる)
梱包資材ももらえるし、ラベル印刷もツールで簡単にできるのでとても使いやすいです。ただ追加の費用などがかかる場合があるので、パターンを把握して必要があればバイヤーとしっかりとコミュニケーションをとることが大切ですね。
2020年4月にはアメリカ行きのEMSも引き受け停止になってしまいました。なのでDHLのような国際宅急便を上手に使って販売していくのが必須になっています。日本郵便が復活してもうまくDHLと併用していくといいですね。
送料の削減は利益に直結します!